1-17 隣家の雨水が敷地の中に流れている、または溜まっている、又は通っている。

ナラスミカ

○隣家の雨水が敷地の中に流れている、または溜まっている、又は通っている。

隣りの雨水が設計予定の敷地の中に放流されて溜まっていることや、隣家の雨水管が当方の

敷地を通って放流しているというケースがあります。(雨水だけでなく下水・給水管もあり)

敷地を見に行く日が雨の日と言うケースは確率的に低いのではないでしょうか。

やはり晴れた日にどれ位の陽当たりがあるかは現地で確認したいですものね。

でも、雨の日だからこそ見ることの出来るポイントもあるのです。

それが雨水の処理です。

検討中の土地が更地でしたら、雨水の溜まり具合で敷地が粘土質か砂質かが分かります。

水捌けが良いかどうかも確認することが出来ます。

具体的に購入を考えるなら雨の日も見ておくのも良いと思います。

もし古家が建っていたらどうでしょう。

隣地との隙間が狭いと、どうしても建物周りを見て回る事は難しいですよね。 たとえ現状建物を撤去して新築する予定で

あっても隣地との関係はしっかり見ておいた 方が良いでしょう。

例えば隣地の庇や樋が敷地境界線を越えていないか、

樋の水がこちらの敷地内に放流されていないか、

境界沿いに設置している排水側溝はどちらの持ち分か、

当方側の側溝であるならそこへ隣地の雨水が放流されていないか。

リフォームの場合は逆に当方の雨水が隣地所有の側溝に放流していないかも確認して

おくべきでしょう。 こういった事は雨の日だからこそ気がつく項目です。

もし隣地側へ放流していることが分かれば、リフォーム工事にその対策費を計上しておく

必要があります。

さて、私が実際に出逢ったケースですが、こんなことがありました。

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1軒目は、隣りの屋根の雨水の樋口がこちらの敷地側に落ちており、雨が降ると敷地内に 大きな水たまりが出来ていました。

また別のケースは雨水の樋が当方の敷地の中を横切って道路に出ていました。

1つ目のケースは、以前ここは隣家の敷地だったのですが、半分に分割して売却した場所でした。

隣家に話したところ、新しい横樋を引いて排水して頂きました。

もう一つのケースは、排水するルートが無くて隣家が勝手に雨水管を通してしまったようです。

当然、建築時には隣家と話し合い別ルートで放流をお願いしました。

他には、隣地側の側溝に雨水を流していたり、逆に隣地の雨水が当方側に流されていたりする

ケースです。 これは意外に多いのではないでしょうか。

それも境界がきっちり決まっていれば対応は土地の契約・決済までに隣家の所有者と話を付けて

おくべきです。 境界がはっきりしていなくて、なあなあで進めていた場合は今回しっかりと

所有者を決めておくのす。 住んでから相手の所有者が変わったとたん、所有者であると言われ

るとともに撤去を求められることも考えられます。

今回は雨水の話に終始しましたが、実際下水管が隣地を通っているケースや、給水管(水道)が 貫通しているケースもあります。

実際の所、地面の下にあるものですので、掘らないと現状は分かりません。

調査する側は、役所でしか情報が無くまた役所で調べただけでは分からない事もあります。

特に私有地内については行政で調べてもほとんど情報が得られません。

可能であれば、以前の様子を知ってられる方や売主に以前の様子を聞いておくことも大切では ないかと思います。

いずれにしても隣地との境界を、土地の購入時に確認をしておきましょう。

奈の町/浅野

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